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業界が違うと「使われる言語」がまったく違う

先週、2つの展示会を回りました。
2025年12月16日〜18日に東京ビッグサイトで開催された「中小企業 新ものづくり・新サービス展」と2025年12月17日〜19日に開催の「SEMICON Japan 2025」です。
どちらも「ものづくり」に関わる展示会ですが、
実際に足を運んでみると、
そこで使われている言葉や前提、会話のスピード感は驚くほど違いました。
展示内容以上に印象に残ったのは、
「何を当たり前として話しているか」の違いです。
「中小企業 新ものづくり・新サービス展」は「現場の温度」が近い

「中小企業 新ものづくり・新サービス展」では、情報・DXを中心に回ったこともあり、かなり弊社の事業内容に近いブースが多かった印象でした。
今回DXを中心に回った理由としては、中小企業の「今いちばん切実な課題」がDXに集約されているからです。
人手不足・属人化・情報共有不足・採用難――
これらは業種を問わず共通していますが、DXは
- 業務効率化
- 情報の見える化
- 少人数でも回る仕組みづくり
という形で、現場課題に直結する打ち手になっているため、
最も実態を把握すべき領域でした。
「SEMICON Japan 2025」は「言語が違う世界」

一方、「SEMICON Japan 2025」。
今回初めての半導体業界の展示会ということもあり、最初は正直、話についていくのが大変でした。
専門用語、海外企業、抽象度の高い技術説明。
ブースで説明を受けても、
その場では理解しきれない内容も多く、
自分の知識の前提がまったく足りていないことを痛感しました。
同時に、
「この業界では、このレベルが“当たり前”なのだ」という
暗黙の基準の高さも感じました。
これは優劣ではなく、
業界ごとに積み重ねてきた文脈が違うという話だと思います。
マーケティングの違い
そして、マーケティングの考え方自体も、
半導体メーカーでは一般的なBtoBとは大きく異なります。
不特定多数に向けて認知を広げるのではなく、
限られたターゲットに対して、
技術的な前提を共有したうえで深く理解されること。
その「狭く、深い分かりやすさ」が、
この業界のマーケティングの前提になっているように感じました。企業のマーケティングに対する考え方は多種多様でした。
特許を取得していない場合、情報公開そのものがリスクになり得るため、
マーケティングを外部に委託せず、すべて内製で行う企業もあります。
また、専門性が高すぎて「任せられない」という理由から、
社内完結を選択しているケースも見受けられました。
一方で、SEOなどの領域については、
外部の専門家に積極的に依頼している企業もあり、
そのスタンスはさまざまでした。
これは各社の方針による部分も大きいと思いますが、
同時に、この業界特有の事情も影響しているのかもしれません。
ただ、ブースを回るうちに気づいたのは、困っていることの根本自体は、実はどこも似ているということでした。
言葉は違っても、本質は現場の課題です。

展示会で改めて思ったこと

良い技術があっても、
それが「伝わる」とは限らない。
- 難しい言葉は、足を止めさせない
- 分かりやすい説明は、会話を生む
- 強みが整理されているブースほど、人が集まる
展示会は、
業界の課題だけでなく「伝え方の差」が見える場所でした。
技術力そのものよりも、
「何ができて、誰のどんな課題を解決するのか」がどれだけ整理されているかが、
来場者との会話量を大きく左右しているように感じました。
違う業界を見ると、自分の立ち位置が分かる

普段とは違う展示会に行くことで、
- 自分はどの視点で話しているのか
- 何を分かりやすいと思っているのか
- どこを整理できていないのか
が、よく分かります。
展示会は情報収集や営業の場であると同時に、
自分の思考や立ち位置を点検する場でもあります。
どの言葉なら伝わるのか。
どこまで噛み砕く必要があるのか。
今回の展示会は、
それを改めて考えさせられる良い機会でした。

